現在、日本のペットの間で食餌生活を原因とする病気がとても増えてるそうです。飼い主の方が、「食餌を正しく与える」ということに意外と気づかれてないということが大きな原因の一つにあげられます。
人も食べたいときに食べたいものばかり食べているような生活をしてると、やがて肥満、糖尿、高血圧といった成人病(生活習慣病)を引き起こします。現代ではペット達にもこのような生活習慣病が増えています。これら生活習慣病は慢性的な症状ですから、一度発症するとなかなか回復しません。ですから日常的な予防が大切になってきます。そのためには日頃の食餌生活に気をつけ、フードの質や量について注意することが大事です。
以下に間違った食餌の与え方をあげてみました。このような与え方をしていませんか?
1,人間と同じもの、または人間の食べ残しを与えている
人間の食べてるもののほとんどはペットにとっては、塩分、糖分、脂質等が強すぎます。これらのものを摂取しすぎると人間も成人病を発症しやすいように、ペットにも同じような症状を引き起こします。
2,肉だけを与えている
「犬=肉食動物」という発想でしょうが、野性時代のイヌ達は捕獲した動物の筋肉だけではなく、臓器や腸、その内容物などまで食べることによって、ビタミン、ミネラル、食物繊維etc、必要な栄養素をバランスよく摂取していたのです。ですから、肉だけを与えるのは栄養バランスが大きく崩れることになります。
3,色々なものを日替わりで与える
毎日同じものしか与えないのはかわいそうだと思って、頻繁にフードの種類を変えてしまう飼い主の方がいらっしゃいます。しかし、野生の頃のイヌ達は毎日同じものを食べていたので、メニューの変化はどちらかといえば苦手です。また、フードを頻繁に変えることによって、ペットの方がぜいたくになってきて、次第に味や香料の強いものしか食べなくなり、あげくの果てには高級な肉にしっかり味付けしたものしか食べなくなった、などという話もたまに耳にします。大事なのは栄養バランスの正しい銘柄を見分け、それを継続して与えることです。
4,添加物を含んだフードを与えている
市販のフードの中には「とにかく売れればいい」という発想で作られたフードも意外に多く、そのようなものには、合成保存料や着色料を多用して、肉っぽい感じを演出している物や、とにかく食いつきをよくするために、香料などを使ってる、といったものも見られます。添加物を多く含んだものばかり与え続けていると、アレルギー症状を引き起こし、皮膚疾患や毛が抜けて皮膚が露出してくるといった症状を起こす場合もありますので注意が必要です。
以上の点の他に、ペットの年齢や健康状態によって、必要なカロリーや栄養素も変わってくることにも注意が必要です。たとえば、発育ざかりの幼犬と、運動量が落ちてきた高齢犬とでは消費エネルギーに大きな差があります。これを与える量だけで調節しようとすると栄養バランスが狂ってきたり、食べ過ぎで下痢の原因になったりします。ペットの状態に合わせて、成長期用、成犬用、老犬用、体調回復用(妊娠期、授乳期etc・・・)、肥満犬用など、正しい選択が必要です。
ペットにとって理想的なフード、特に栄養バランスについてはアメリカ飼料検査官協会(アフコ=AAFCO)が一定の基準と定義を設けています。その定義には「人間以外の動物にとって栄養学的に適切な食餌とは、特殊な製法により総合栄養食として与えられるように合成されたものを指し、水分以外の補助物質を必要としなくても生命を維持し、なおかつエネルギー生産を促進させる能力のあるもの」とあります。簡単に言いますと「水とそのフードさえ与えていれば、健康に生活できるもの」ということです。
ですから、そのようなフードであれば特に肉の缶詰めなどを混ぜたりしなくても、そのフードだけで十分ということになります。
フードを選ぶ際は、CMでよく見かけるからとか、廉価だったから、といった基準で選ぶのではなく、ペットの状態を見きわめた上で、継続して与えられる最適なフードを選ぶようにしましょう!
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